共同親権・親権者指定で、心理学的に検討できること
2026年4月1日に、父母の離婚後の子の養育に関する改正民法が施行されました。離婚後の親権者は、父母の協議で定め、協議が整わないときは、家庭裁判所が、共同親権とするか単独親権とするかを、子どもの利益の観点から判断します。このとき、心理学の立場から検討できることと、できないことを整理します。
法律の前提(法務省の説明から)
- 親権者は、まず父母の協議で定めます。協議が整わない場合は、調停や審判で定められます。
- 家庭裁判所は、共同親権にするか、単独親権にするかを、子どもの利益の観点から判断します。
- DVや虐待のおそれなどがあり、共同親権にすることが子どもの利益を害する場合は、共同親権にできません。
法律の解説は、法務省の親権者のページと、法務省民事局の解説資料をご覧ください。個別の事案の見通しは、弁護士にご相談ください。
心理学的に検討できること
- 父母の関係と協力の様子。葛藤の程度、子どもを巻き込んでいないか、子どもに関する連絡が行えているかを、資料に基づいて整理します。
- DV・虐待のおそれの検討。申立てや証拠の内容を、心理学の知見に照らして検討します。子どもの安全を最優先にし、断定はしません(DVを理由に別居した方からのご依頼について)。
- 子どもの意向の形成過程。子どもの発言が、いつ、どのような場面で、どのように現れたかを検討します(司法面接の質問の仕方と、子どもの発言の信用性、片親疎外と虐待で、子どもの反応はどう違うか)。
- 別居前後の親子関係と、養育の実績。誰が、どのように子どもの世話をしてきたかを、資料から整理します。
- 親子交流と、共同の養育の関係。親子交流の実施の状況と、子どもの様子との関係を検討します。
- 障害のある子どもの養育環境。発達の特性に応じた意思の表し方を踏まえて検討します(障害のある子どもの家事事件)。
検討できないこと
- 親権者をどちらにするか、共同親権にするか単独親権にするかという、法的な判断
- 手続きの結論の保証
- 面接をしていない相手方について、人格や養育能力を断定すること
意見書は、資料から確認できること、心理学的に推論できること、資料からは言えないことを分けて書きます。法律上の判断基準と、心理学的な評価の範囲を、はっきり区別します。
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